札幌の労働問題・不当解雇・残業代請求・退職金請求の専門家│あいわ総合司法書士事務所

労働問題

あなたの労働問題の解決をサポートします。

不当解雇・未払い残業代の請求等会社から理不尽な仕打ちを受けて悩みを抱えている方,まずはご相談下さい。

不当解雇
「明日から,来なくてよい。」と会社から一方的に解雇された!
客観的・合理的な理由のない解雇は無効です。
解雇予告手当の請求
突然,解雇された!解雇予告手当を請求できます。
残業代等の請求
1日8時間以上,週40時間以上働いているのに,残業代が支払われない!
未払給料の請求
~ 相殺・給料カット ~
給料カットを会社が一方的に行った。労働者との合意がなければ無効です。
減額された分の給料を会社に対して請求することができます。
退職金請求
退職金規定がある。就業規則に退職金の定めがある。
会社に対して,退職金を請求することができます。
労働審判制度
迅速・適正・柔軟な紛争解決を図ることができる
労働審判の申立をサポートします。

当司法書士事務所が労働問題に取り組む理由

 当司法書士事務所では,開業以来,裁判業務に積極的に取り組み,様々な市民の方からの相談に応じてきました。その中でも,ずっと力を入れて取り組んできたのが,借金問題を解決する債務整理です。多重債務を解決するために,依頼者の生活状況やご希望に合わせた債務整理を提案し,今では5000人を超える方の多重債務の問題を解決してきました。

 債務整理事件に取り組む中で,生活再建に向けて,本人・家族と協力し,破産の申立を行い免責許可の決定をもらったのに,その後,勤務先の会社から解雇された方がいらっしゃいました。また,生活に困窮し,やむを得ずヤミ金から借り入れてしまい,ヤミ金から会社に取立の電話があったことがきっかけで解雇された方もいらっしゃいました。その他,退職を強く迫られて今後の生活に悩みを抱えている方,会社の一方的な理由で給料が一切支払われなくなった方,週20時間以上も残業をしているのに一切の割増賃金が支払われていない方など,多重債務の相談を受ける中で,労働問題に悩む依頼者の方がたくさんいらっしゃいました。

 負債を抱える原因は様々ですが,会社の倒産,あるいは勤務先から解雇された,給料が突然支払われなくなったなど,労働問題がきっかけで借金を抱える方は多数いらっしゃって,債務の整理だけでなく,労働問題も含めて解決を図らなければ,依頼者の本当の意味での解決にはならないと思うようになりました。

 労働事件の相談者は,会社から一方的に解雇されたり,働いた分の給料が正当な理由なく支払われなかったりなど,会社から理不尽な仕打ちを受けております。一生懸命働いてきた自分自身の労働の成果が認められず,相談を受けていて,その悔しい想いが,私たちにも伝わってきました。

 そこで,債務を整理して再出発を図っていくためにも,負債を抱える原因となった不当解雇などの労働問題について解決を図ることで,依頼者の今後の生活再建について,一助になるのではと思い,労働問題にも積極的に取り組むようになりました。

 労事事件の解決には,「労働審判制度」という調停手続の利用が中心になります。
 当司法書士事務所では,開業以来,積極的に裁判業務に取り組み,様々な相談者の方からの相談に応じ,その問題を解決してきました。今まで培った経験を生かし,労働問題についても,労働審判申立書の作成や,簡易裁判所での訴訟代理等を通じて,事件の解決に積極的に取り組んでおります。

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不当解雇

客観的・合理的な理由のない解雇は無効です。

Aさんの場合
 私は,正社員として会社に勤務してきました。
会社から突然,「明日から,来なくてよい。」と解雇を告げられました。
私に業務上の落ち度があったとも思えません。このような解雇は許されるのでしょうか。

解雇とは

 「解雇」とは,会社などの使用者が,労働契約を一方的に終了させる意思表示のことを言います。労働者の承諾は要件ではありません。ただし,会社(使用者)からの一方的な解雇を安易に認めてしまうと,労働者の生活に大きな打撃を与えることになるので,労働者保護の観点から,解雇については,労働契約法や労働基準法などによって一定の制限が加えられています。
 それでは,Aさんのケースは,法律上,不当解雇にあたるケースなのでしょうか。

解雇の効力の判断基準

 解雇が無効かどうかの判断基準として,労働契約法16条に「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして,無効とする。」と規定されています。
 つまり,会社(使用者)が主張する解雇理由に,「合理性」と「相当性」が認められなければ,解雇は無効と判断されることになります。
 したがって,労働者から,その解雇は無効であると争う場合は,まずは,会社(使用者)に対して,解雇理由を記載した証明書を請求し,解雇の理由を特定することが必要となります。

解雇理由証明書の請求

 そこで,解雇された理由を明らかにするために,会社(使用者)に対して,「解雇理由証明書」の交付を請求します(労働基準法22条)。
 労働者が会社(使用者)に対して,「解雇理由証明書」の交付を請求した場合,使用者は遅滞なく,証明書を交付しなければなりません。また,この証明書に記載すべき解雇理由については,通達で「具体的に示す必要があり,就業規則の一定の条項に該当することを理由として解雇した場合には,就業規則の当該条項の内容及び当該条項に該当す るに至った事実関係を証明書に記載しなければならない。」とされています。
 この解雇理由を特定させる意味は,使用者が,解雇の有効性を争う,あっせん,労働審判,民事訴訟などにおいて,証明書に記載した解雇理由とは別個の理由を,当該解雇について主張することを困難にするという効果があります。つまり,使用者側が解雇理由を後出しで追加することを制限できるということです。

 なお,証明書に記載された以外の解雇理由を後から主張することについては,肯定説と否定説があります。仮に,肯定説をとったとしても,証明書に記載のない事実は,解雇当時,使用者がその事実を重視していなかったと評価されたり,解雇回避の措置や解雇に至る経過の点から当該事実が低く評価されたりすると考えられます。

 したがって,解雇理由を記載した上記の証明書を,早い段階で使用者側に請求することは,大きな効果があるのです。

解雇の無効を争う手続

 会社(使用者)から解雇された場合,上記のとおり,会社の就業規則や解雇理由証明書に基づいて,解雇された理由を明らかにし,解雇理由について「合理性」と「相当性」が認められず,解雇権の濫用であると争っていくことになります。
 当司法書士事務所では,「労働審判制度」という調停手続を利用し,事件の解決にあたっております。
 労働審判では,「労働者は雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める。」という地位確認請求の労働審判の申立を行い,争っていくことになります。労働者が,「こんな会社には戻りたくない」と復職を求めず金銭的解決のみを希望する場合も,解雇が権利濫用として無効であると判断されれば,労働者は解雇日以降の賃金請求権が認められるため,地位確認請求の労働審判の申立を行います。また,実際の労働審判手続では,ほとんどの場合,離職を前提にした金銭的な解決案が提示され,合意に至っております。

 解雇の意思表示が法律上有効となるためには,解雇理由に「合理性」と「相当性」があることを会社(使用者)が証明しなければならず,しかもこの認定は厳しいものになっています。
 上記のAさんのケースでは,会社側が,解雇は有効であると主張するためには,解雇理由について,「合理性」と「相当性」があることを証明しなければなりません。Aさんとしては,「解雇理由証明書」の交付を受け,解雇の事実を証明し,解雇理由を特定することができれば,Aさんに対する解雇は無効と判断される可能性は十分にあります。

 解雇無効で解雇権の濫用であると争っていく場合には,解雇の事実を証明し,解雇理由を特定させるために,「解雇理由証明書」の交付を受けることが重要になるのです。

解雇が無効であると争う場合の注意点
  退職勧奨をされ,「退職届」にサインを求められている場合

 退職勧奨とは,労働者が退職の意思表示をするように会社(使用者)が行う勧奨行為のことを言います。退職勧奨は,労働契約の合意解約の申込みあるいはその誘引にすぎず,労働者はそれに応じる義務はありません。解雇だと,解雇権濫用法理の適用があるので,会社側からすると,後から争われることがないように,退職勧奨をすることがあります。
 たとえば,会社から,「人員整理を行う必要が生じ,君は独身だし,自由がきく身だろう。」などと再三言われて,職場に居づらくなり,「退職届」を提出し辞めた場合,これは,退職勧奨に応じて辞めたことになるため,解雇ではなく,労働契約の合意解約となります。
 退職勧奨に応じて「退職届」などを提出してしまうと,その後,労働審判において,解雇の事実を証明することは相当困難であり,不当解雇であるとして,争うことが難しくなります。会社に対して退職する意思が無いことを伝えても,退職勧奨が止まない場合は,退職届にサインはせずに,弁護士・司法書士に相談することが望ましいです。

解雇に伴う給付(解雇予告手当・退職金)を受けていないか

 解雇の効力を争う場合には,退職金や解雇予告手当の請求をしてはなりません。解雇が無効である場合には,退職金等の請求権は発生しないため,それらを請求したり,受領したりすることで解雇の効力を承認したものと評価されるおそれがあるからです。
 なお,すでに退職金等を受け取ってしまっている場合は,使用者に返還(もしくは供託)をするか,または「返還請求があるまでは預かり保管しておく。」旨を内容証明郵便で通知しておく必要があります。

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解雇予告手当の請求

突然,解雇された!解雇予告手当を請求できます。

Bさんの場合
 私は,業務上の落ち度があり,会社から,「明日から,来なくてよい。」と解雇を告げられました。
解雇になることは納得しているのですが,私にも生活があります。
このまま辞めるにしても,会社に対して何か請求できないのでしょうか。

解雇予告義務

 会社(使用者)は,労働者を解雇しようとする場合は,少なくとも30日前にその予告をしなければならず,30日前に予告をしない使用者は30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。
 したがって,突然の解雇を告げられたBさんの場合,以下の除外事由又は適用除外に該当しない限り,会社(使用者)に対して解雇予告手当の請求をすることができます。

解雇予告の除外事由

通達によると,この「責めに帰すべき事由」の程度について『解雇予告制度の保護を与える必要のない程度に重大又は悪質である場合に限る』とされています。
 このため,懲戒解雇となった場合であっても,使用者に解雇予告義務が認められる場合はあります。

解雇予告の適用除外

残業代等の請求

1日8時間以上,週40時間以上働いているのに,残業代が支払われない!

Cさんの場合
 私は,毎朝9時から夜10時まで,昼食休憩の1時間を除いて働きどおしです。
しかし,残業代は一切支払われたことがなく,社長に抗議をしても,「他人より仕事が遅いから残業になるのであって,お前の出来が悪いからだ。」と言われて,割増賃金の支払を拒まれました。仕事が遅いことを理由に残業代の支払いを拒むことは認められているのでしょうか。

残業代等(割増賃金)の請求

 会社(使用者)は,原則として,労働者に1週間について40時間を超えて労働させてはならず,かつ,1日について8時間を超える労働をさせてはなりません。これを超えた労働をした場合,超過労働時間について,次のとおり,一定の割増賃金を支払わなければなりません。

横にスクロールしてご覧ください。

割増賃金の割増率 時間外労働 25%以上
休日労働 35%以上
深夜労働 25%以上
時間外・深夜労働 50%以上(25%+25%)
休日・深夜労働 60%以上(35%+25%)

 労働者が残業をしていれば,会社(使用者)は割増賃金の支払を拒むことはできません。確かに,人によって仕事量は違いますし,それによって社内での待遇や給与に差がでる可能性はあります。しかし,割増賃金の支払については別です。一度決められた給与と条件であれば,時間外に仕事をすれば割増賃金の支払義務が生じます。労働契約では,労働時間を重視しており,労働時間の対価として賃金を支払うことが基本となります。したがって,Cさんの場合も,仕事の効率が人より遅いからといって,直ちに割増賃金を支払わなくてもよいとは言えません。

労働時間の立証方法

 使用者が,労働時間の管理にタイムカードを利用している場合であれば,実労働時間とタイムカードの打刻時間はほとんど一致します。タイムカードがある場合は,それを前提として労働時間を計算すれば,超過労働時間を把握することができます。しかし,タイムカードがない場合や,タイムカードの記載が実労働時間と異なる場合は,立証方法を工夫することによって,残業代を請求できる余地は十分にあります。

『タイムカードの確認』

 労働時間を把握する最も基本的な資料は,タイムカードです。タイムカードの打刻は,客観的な信用性の高い資料ですから,証拠価値もあり,基本的にはこの記載の確認が必要です。タイムカードがある場合は,それを前提とした上で,それ以外の事情を加味して実労働時間を把握していくことになります。

『日報・日誌の確認』

 タイムカードがない場合であっても,仕事の関係から,日報・日誌を付けている場合があります。その場合は,日報・日誌に記載された時間は有力な資料となります。もちろん,タイムカードよりは客観性が高くないので,実際の勤務状況等から,日報・日誌の記載が誤りとされる可能性はあります。しかし,これ以外に勤務時間に関する資料がない場合は,有力な資料となります。また,明確にこれに反する資料がない場合は,日報・日誌に記載された数字が認められる可能性は高くなります。

『その他の方法』

 会社が労働時間の具体的な管理をしておらず,資料が存在しない場合でも,「労働者が自分の勤務時間をメモしていた」とか,「退社する際にメールを送って送信日時を記録していた」というような場合は,有力な資料となります。確かに,これらは労働者が私的につけていた資料ですし,客観性が高いとは言えません。しかし,メモを作成していた経緯や,メモの内容がしっかりしていれば,一定の範囲で労働時間を示す資料となります。

定額残業代

 残業代の請求をすると,会社(使用者)から後発的に「○○手当」が定額払いの残業代であると主張されることがあります。
 会社が主張する「○○手当」が残業代の支払いとして認められるためには,雇用契約書や就業規則などで明確に残業代として支給している旨を規定する必要があります。したがって,「○○手当」が支給されていた場合は,就業規則等の定めをもとに,その手当の性質を検討して,割増賃金の請求を行うことになります。一部の会社では,就業規則等で明確に定められていないこともあり,その場合は,「○○手当」が支払われていても,残業代等を請求する余地は十分にあります。
 なお,定額残業代が実際の割増賃金よりも不足するのであれば,もちろん差額分を請求することができます。

直行直帰の営業職の場合(事業場外のみなし労働時間制)

 直行直帰の営業職などでは,会社(使用者)から事業場外のみなし労働時間制を定めているため未払いの残業代はありませんと主張されることがあります。
 労働基準法では,直行直帰で労働時間の算定が困難な場合は所定労働時間労働したものとみなす規定があります。これを事業場外のみなし労働時間制と言います。
 営業職など事業場外で働いていれば,全ての労働者について事業場外のみなし労働時間制の適用が受けられるわけではなく,この規定の適用が受けられるのは労働時間の算定が困難な場合に限って認められています。これは,本来,使用者には労働時間の把握算定義務があるからです。
 通達では,事業場外で業務に従事する場合であっても,①グループリーダーがいて労働時間の把握ができたり,
②携帯電話などによって常時使用者の指揮命令を受けて業務を行っていたりなど,使用者の具体的な指揮監督が及んでいる場合については,みなし労働時間の対象とはならないとされています。
 したがって,会社から事業場外のみなし労働時間制を定めているとの主張があったとしても,労働者の業務について使用者の指揮監督が及んでいることを証明できれば,残業代等の請求を行っていくことは十分に可能です。

時効

 割増賃金を含む賃金の請求権は2年間,退職手当の請求権は5年間行わない場合には,時効により消滅します。これらの起算点は,各月の残業代の権利行使が可能となる「各賃金支払期」と考えられています。
 時効の中断をするためには,内容証明郵便による催告,訴訟提起や労働審判の申立等を行う必要があります。したがって,残業代等の請求を考えている方は,消滅時効には注意が必要です。

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未払給料の請求~ 相殺・給料カット ~

給料カットを会社が一方的に行った。労働者との合意がなければ無効です。

Dさんの場合
 私は,トラックの運転手をしております。積荷の運搬中に事故を起こしてしまい,会社に10万円
の損害を与えてしまいました。会社から,「来月の給料10万円を天引きする。」と言われました。
給料から10万円も天引きされてしまうと,手もとには,ほとんどお金が残らず生活ができません。
このように,損害賠償と相殺して給料を支払わないことは認められるのでしょうか。

賃金全額払いの原則

 労働基準法24条は「賃金全額払いの原則」を定めており,会社(使用者)は,賃金の全額を支払わなければならず,賃金の一部を控除することはできません。たとえ,使用者の労働者に対する債権が不法行為に基づく損害賠償請求権であっても賃金債権と相殺することはできません。したがって,使用者は,労働者に対して賃金全額を支払う必要があります。賃金と労働者に対する損害賠償は,全く別のものであり,原則として相殺は認められません。ただし,会社(使用者)が労働者の同意を得て行う相殺は,「賃金全額払いの原則」に反しないとして,認められています。

 Dさんのケースでは,給料から損害賠償を天引きするためには,Dさんの同意が必要となります。会社は一方的に相殺することはできません。したがって,Dさんの同意がないにもかかわらず,賃金が相殺されたときは,相殺された分の支払を求めることができます。

給料カット(労働条件の引下げ)

 Dさんのケースとは異なりますが,業績悪化や仕事上のミスを理由に,会社から一方的に「来月から基本給を20%カットする。」と通告を受けた場合も,このような給料カットは,原則として,労働者の同意がない限りは認められていません。

 給料カットなどの労働条件の不利益変更は,原則として労働者の合意が必要となります。一定の条件のもとに就業規則により労働条件の変更をすることができるに過ぎません。それらの変更手続きをとらずに,会社が一方的に労働条件を変更することは認められていません。
 したがって,会社が,給料カットなどの労働条件引下げのための合意を求めてきたときには,安易に合意をすることは避けるべきです。変更理由や代償措置等について十分な説明を求めるべきでしょう。会社から「合意しないと解雇する。」と迫られた場合でも,そのような解雇は,合理的な理由がなく無効となりますから,不本意な合意をする必要はありません。
 就業規則の変更の条件も満たさずに給料カットを会社が一方的に行ったとしても,労働者との合意がなければ,その変更は無効となりますので,減額された分の給料を会社に対して請求することができます。

退職金請求

退職金制度がある場合,会社に対して,退職金を請求することができます。

退職金とは

 退職金とは,継続的な雇用関係の終了を原因として,労働者に支給される一時金のことを言います。退職手当金,
退職慰労金等の名称で支給されるものもあります。
 退職金制度を置くか否かは会社(使用者)の自由であり,退職金制度がなければ労働者に対する退職金支払義務は発生しません。しかし,もし退職金制度を設ける場合には必ず就業規則に記載しなければならないとされており,「適用される労働者の範囲,退職手当の決定,計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」を就業規則に明記することが必要となります。

退職金支給根拠

 退職金請求権があるというためには,労働協約・就業規則・労働契約などに支給すること及び基準が規定されていることが必要です。また,退職金規程が存在しない場合であっても,退職金の支給が労使間の慣行になっており,支給金額の算定が可能な程度に定まっていれば,労働契約の内容になっているということができ,使用者に退職金の請求をすることができます。ただし,それらの根拠がない場合は,一般的に退職金請求は困難であると考えられます。

労働審判制度

迅速・適正・柔軟な紛争解決を図ることができる

労働審判制度とは

 労働審判手続は平成18年4月1日にスタートした制度です。年間の申立件数は,全国で3500件前後で推移しており,今や労働事件を解決する手続の一つとして定着したものになっています。

 手続の特徴は,迅速・適正・柔軟な紛争解決を図ることができ,かつ,紛争解決の実効性があると言われています。

 労働審判は,3回以内の期日で審理を終結しなければならないと定められているため,通常訴訟と比較し,スピーディーに紛争解決を図ることができます。
 また,裁判官1名と労働関係の専門的な知識経験を有する2名(労使それぞれ1名ずつ)によって構成される労働審判委員会が紛争処理を行うため,適正な紛争解決を図ることができるとも言われています。
 さらに,調停の成立による解決を試みるため,柔軟な紛争解決を図ることができます。労働審判を申し立てた件数のうち約70%について調停が成立しております。
 そして,民事調停と異なり,調停がまとまらないときでも,審判というかたちで裁判所の判断が示されるため,紛争解決の実効性があるとも言われています。

労働審判の対象となる事件

 労働審判の対象となる事件は,「個別労働関係民事紛争」に限定されています。

 「個別労働関係民事紛争」とは,解雇,雇い止め,賃金・退職金未払い,人事異動(配転・出向・転籍),労働条件引き下げ,労働者の人格権侵害(セクハラ・パワハラ),労働災害など,およそ,労働者と使用者との間の権利紛争であれば,労働審判の対象となります。
 ただし,労働者間の紛争や公務員の任用関係に関する紛争などは,労働者と使用者との間の紛争ではないので,労働審判の対象とはなりません。

労働審判の管轄裁判所

 労働審判を管轄するのは,訴額にかかわらず全て地方裁判所とされています。また,地方裁判所の支部では手続が実施されていなく(但し,一部の支部を除く),労働審判の申立は,地方裁判所の本庁に対して行う必要があります。
 札幌地方裁判所の管内の裁判所であれば,小樽支部や苫小牧支部などでは労働審判は実施されていなく,全て札幌地方裁判所の本庁で手続が実施されることになります。

当司法書士事務所の労働審判手続への関わり方

 司法書士は,簡易裁判所の事物管轄の範囲内(140万円以下の請求)であれば,訴訟代理人として裁判手続に関与することができますが,労働審判手続は,全て地方裁判所で取り扱われることになるため,代理人として関わることができません。そこで,当司法書士事務所では,労働審判申立書を作成するというかたちで,依頼者の支援をしています(司法書士法3条1項4号「裁判所提出書類の作成業務」)。

 労働審判手続は,期日が3回までと決められているので,1回目の期日から充実した審理が行われます。通常,第1回期日では,2時間程度時間を取り,まずは,申立人と相手方が同席のもとで争点等の整理を行っていきます。その後は,解決金の話にもなるため,申立人,相手方,それぞれ別席で期日が進んでいくことが多いです。

 当司法書士事務所では,単に申立書を作成するだけでなく,労働審判の期日当日に,裁判官や労働審判委員から事実関係について質問がされても問題なく答えられるよう,依頼者とは綿密な打ち合わせをして,労働審判手続に望むようにしております。また,労働審判の期日には司法書士が裁判所に同行し,申立人控え室で待機をして,解決金等についてアドバイスができるよう十分なバックアップ体制をとっております。また,当司法書士事務所で,受任し解決した労働事件のうち6割以上は,労働審判手続を利用して解決を図っており,労働審判制度についても熟知しており,依頼者に納得していただける解決方法を提案することができます。